2014年06月01日

門前の遊郭、池畔の茶屋(10) 上野動物園 池之端門

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 上野動物園の出入口は2箇所。出口専用が1箇所ある。

 一番大きいのがJR上野駅公園口から一直線の「表門」(東園)。あまり知られていない小ぶりの「池之端門」(西園)。加えて、不忍池に隣接している出口専門「弁天門」。

 その池之端門に到着。表門とは異なり、ひっそりとしたたたずまいが印象的。表門のチケット売り場に長蛇の列が出来ているときも、池之端門なら並ばなくて入園出来るというのもうなずける。

 動物園には入らず、そのまま不忍通りを直進。不忍池が見えてきたあたりから、池の外周路に入ることにした。

【Photo】不忍通りに面している上野動物園池之端門。東京メトロ千代田線湯島駅、あるいは根津駅から近い。

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2014年06月02日

門前の遊郭、池畔の茶屋(11) 上野不忍池競馬

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 不忍池。馬場孤蝶(こちょう)の『明治の東京』に面白い文章があった。

『不忍池の縁が埋立てられて競馬場になつたのは何時ごろであつたらうか、今明かには記憶しないが、明治十八年ごろにはもう馬場はできてゐた。』

 孤蝶さんの記憶は正しい。上野動物園が開園したのは明治15年(1882年)、その2年後の同17年(1884年)から同25年(1892年)まで、上野不忍池競馬があったのだ。ただし馬券の発売はなし。

 皇居の外周路をランニングしたくなるように、適度な大きさの外周路は人間の競争心を煽るのだろうか。

 本格的な競馬場はムリだとしても、東京オリンピックに向けてカジノ構想を議論するより、北海道帯広のばんえい競馬をここに誘致すれば面白いのに。

【Photo】不忍池の周囲は緑が濃い。今秋から周辺の再生整備事業が始まるらしく、野外ステージの利用は10月1日〜翌年3月31日まで中止になる。

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2014年06月03日

門前の遊郭、池畔の茶屋(12) 競輪とオートレース

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 馬場孤蝶(こちょう)の『明治の東京』の続き。

『そのまへはその廻りは草の生え茂つた極狭い路で、池の周囲がもの寂びてゐて、如何にも風情があつた。』

 明治30年(1897年)春、不忍池の外周路で開催されたのが自転車競走。競馬が出来るくらいだから自転車などお安い御用だ。参加者約20名だった。

 その後、同43年(1910年)の自転車競走の余興にオート(オートバイ)レースが行なわれたというから、『草の生え茂つた極狭い路』の激変ぶりがすごい。

 今どきの外周路は幅広の路になってはいるものの、周囲に緑濃く、結構、風情を感じるから、孤蝶さんが生きていたらどう思うのだろう。

 池が4つに分割されたのは昭和4年(1929年)。現在は、そのうちの2つが合体してカワウが繁殖する「鵜の池」(上野動物園内)となり、一面が蓮で覆われる「蓮池」、ボートが楽しめる「ボート池」の3つとなった。

【Photo】初夏の陽射しは強いが、水面を伝う風は涼しく、ベンチの居心地は良し。貸しボート屋の営業は、昭和6年(1931年)から今に至るまで続いている。

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2014年06月04日

門前の遊郭、池畔の茶屋(13) ゴロワーズブルー

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 さらに馬場孤蝶(こちょう)の『明治の東京』の続き。

『その時分にはさういふ池にくつゝいた草径と茅町の池へ面した道路との間には、もう一筋溝川が流れてをり、それに月見橋だの、雪見橋だのといふ土橋がかゝつてゐた。さういふ溝川と土橋は近年まで遺つてゐたが、何時かの博覧会の時か何かに埋められてしまつた」

 上野動物園が開園する5年前の明治10年(1877年)、政府主催の「第1回内国勧業博覧会」が不忍池周辺で開催されていて、以降、同14年(1881年)、同23年(1890年)と続く。

 戦後、水を抜かれて水田化。不忍田圃と呼ばれた時期もあったが、やがて「いっそのこと野球場にすべぇ」という意見が出たが、昭和24年(1949年)に「うんにゃ、池のままがええ」ということになり、現在に至っている。

【Photo】池の周囲、ところどころでアジサイが咲き始めている。ゴロワーズブルーが見事。この時期、都内各所でアジサイが見られるが、アジサイは上野に限る・・・と思う。

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2014年06月05日

門前の遊郭、池畔の茶屋(14) ふにんいけ

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 不忍池、名前の由来2つあり。

 芦萩(ろてき)が生い茂って、道の境もわからなかったのに、この池ばかりはよく見えてかくれることがなかったから不忍池。

 上野の山を忍ヶ岡といったので、それに対し不忍池。

 どっちもどっちという感じがしないでもないが、いずれにしても素直に読めば「ふにんいけ」。

 地名人名には素直に読んではダメなことが多いのだが、かといって素直に読まないと逆にハジをかくことがあるからむずかしい。

 たとえば石和温泉。どう考えても「いしわ」なのに「いさわ」。大佛次郎だって、どう転んでも「おおぼとけ」なのに「おさらぎ」だからね。

 東京都大田区の場合、かつての大森区と蒲田区が一緒になって「大田区」。ホントは「森」と「蒲」が地名の由来だったのに、まったく無意味な「大」と「田」で一丁上がりだから、由来など気にしないほうが賢明かも。

【Photo】蓮池。陽気のせいか、大量のハスが繁茂中。あいにく花は咲いていなかったが、水面を覆う一面の新緑が実に美しい。

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